تسجيل الدخول「エバルフさんの悪魔化が…解けたぞー!」
「「うぉぉぉ!!でかしたぞお嬢ちゃん!!」」 エバルフの悪魔化が解けたことで部下たちは喜び叫んだ。 グレンはミーナがエバルフの悪魔化を止めれた事を未だ信じられないのか唖然としていた。 「信じられんな…ただの人間が悪魔化を阻止するなど…」 (まったくだ…てめえですら悪魔化を阻止できた事ねえのによぉ) グレンの悪魔もグレンと同じくミーナの行動を感心した。 「…何てことだ…あの人間の悪魔化を…」 悔しそうな顔をしながらブツブツ独り言のように喋るロフィス。 そして一気に顔の表情を強面に変えて。 「よくも俺達の計画を…3年かけたこの計画を無駄にしやがったな…許さん…許さんぞぉぉぉ!人間どもぉぉぉ!!!」 ロフィスの声の大きさに全員再び戦闘体制に入ろうとした時。 「…!?…ガァッ!…」 ロフィスの指先から出た一筋の光線がエバルフの胸を貫き、エバルフの体は地面に倒れこんだ。 「エバルフさん!おい、ロフィス!いい加減にしろてめぇ!」 「いい加減にしろだと?こっちのセリフだクソ人間…。3年だぞ…こいつを悪魔化させんのにどれだけ苦労したか…許さんぞ。お前ら全員皆殺しにしてやるよ!」 ロフィスの腕と顔が変形し始めた。 黒い体は普通の悪魔と同じだがロフィスの変異は普通の悪魔と違い人間の面影を残したまま腕と顔が黒く変異し、髪は茶髪のままだった。 「あの人も悪魔の姿に…」 「落ち着けミーナ。危険だから後ろにいてろ。」 その姿があの時のシェスカと重なって見えたのかミーナは怯えていたがグレンに言われてエバルフの部下達の所に移動した。 そしてグレンはロフィスの方に再び顔を向け。 「…とうとう本性を表したな…」 「殺してやるよ…この姿にさせた事、後悔するがいい!」 まず最初に動いたのはロフィスだった。 ロフィスの怒りは極限状態なのが周りにも伝わってきて戦ってもいない部下達の何人かは反射的に一歩下がった。 ロフィスの拳がグレンの顔面を狙ってくるとグレンは大剣の剣脊でそれを受け止めた。 キィィィン!!! 金属同士がぶつかる音が鳴り響く。 「(こいつの拳は金属類に匹敵するのか!?大剣でガードしたのにビクともしねぇ!)」 しかしロフィスはグレンに考える間を与えず防がれたと分かった直後瞬間移動で一瞬でグレンの背後に移動する。 「遅いな!」 ロフィスは背後に移動した時に腰を右にねじると一気に逆方向へ回旋させ、右足でグレンを蹴飛ばした。 ちょうど下腹に直撃し、グレンはそのままの勢いで壁に激突した。 「ぐっ…なんて威力だ…」 グレンは蹴られて血が出ている下腹を抱えながら苦しい顔でロフィスを見た。 「言ったはずだ。俺は悪魔よりも上の獄魔だってよ。さぁ、お前はもう内臓のいくつかを潰した。死ぬのも時間の問だ…」 「誰が死ぬだって?ー反(リバース)魔法ー!」 すると蹴られた下腹の傷がどんどん治っていき、痛みが無くなると抑えてた手をどけた。 「残念だったな。これで潰れた内臓も修復して体力も回復した。」 そして再び剣を構えるグレン。 「これ以上お前と遊ぶつもりはねえ。ー黒炎よ、我に力を分け与えよー」 するとグレンが立ってる地面に黒い魔法陣が表れ、そこから黒炎が発生するとグレンの全身はその黒炎に纏われた。 全身を纏った黒炎はまるで死者を苦しめる地獄の業火のように燃え盛り、初めて見たエバルフの部下達は見てるだけで吐き気が出そうになってる者がいた。 「それが悪魔と契約して手に入れた悪魔殺しの炎か。確かにこの炎はまともに浴びると死ぬな。」 「安心しろ。熱さを感じる前に殺してやる。」 そしてグレンとロフィスは同時に瞬間移動でその場から消え、2人同時に同じ場所に移動した。 グレンは黒炎を纏った大剣を横に振ったがロフィスは再び瞬間移動でかわすと大剣は目の前にあった建物の壁を横一直線に斬りつけた。 そしてロフィスは再びグレンの後ろに移動すると今度は爪を伸ばして胸を貫こうとした。 「貰っ…」 ガッ…!! 「ブフォ…!」 ロフィスは爪で刺そうとした瞬間グレンは大剣を握っていない右腕の肘打ちでロフィスの上顎にヒットした。 鼻からボタボタと血が流れて判断が鈍ったロフィスを今度は光属性の魔力を右足に纏い、体を右回転させると背後にいるロフィス目掛けて高速の蹴りをお見舞いする。 ロフィスに当たった瞬間ロフィスは反対方向の建物に激突し、建物はその威力によって半壊した。 「…すごい、これが…紅の悪魔祓いの力なのか…ゲホゲホ!…」 「…!?エバルフさん!起き上がらないで下さい!」 さっきまで瀕死状態だったエバルフは起き上がろうとすると血が喉に詰まっていた咳き込むと血が出てきて部下は慌てて止めに入る。 飛ばされたロフィスは半壊した建物からゆっくりと現れると口から黒い血を吐き捨て、肩をコキコキ鳴らした。 「この力はもはや悪魔の域を超えてやがる。獄魔…いや、あいつの中にいる奴はそれ以上かもしれん…」 「何1人でブツブツ言ってる?」 そしてグレンは光の移動系魔法によって一瞬でロフィスの目の前に詰め寄り、再び高速の蹴りを入れようとした。 しかし、ロフィスは蹴りが来ることを分かっていたのかしゃがんでかわし手のひらに黒い魔力の塊をグレンの腹にぶち込んだ。 「ぐっ…」 「…だが、いくらお前が強くても動きは単調すぎるから予測しやすい。」 そして瞬間移動でグレンの背後に表れ再び黒い魔力を作った。 グレンはそれに気づいて避けようとしたがまたまた避ける方向が分かっていたのかその方向に移動し顔面に塊をぶち込んだ。 「そっちに避けることも想定内だ。…おっと、逃げんなよ!」 距離を保とうとしたグレンは瞬間移動でロフィスから離れるがロフィスもその場所に移動し、同じように魔力の塊を腹めがけてぶつけた。 「ぐはっ…!」 「どうした?こんな程度かよ!ホラ!ホラ!ホラよ!」 グレンはロフィスの両手から生産される何発もの魔力の塊をぶつけられた。 そして最後の塊を喰らうと膝を地面につけた。 「紅のやつが押されてますよ!」 「…ロフィスの予知能力か。さっきから紅は攻撃を避けようとしてるが動きを全部ロフィスに読まれてやがる。」 「その通り!俺の予知能力は120%の確率で当たる。ただ、1分程度先の未来なら何度でも見れるが1年以上先の未来は一瞬しか見れない。…3年前も…」 ロフィスは自分の能力をエバルフ達に一通り解説するとエバルフの方を向きながら言った。 「…お前が悪魔に堕ちた姿も見た!」 「…なん…だと?どういうことだ、ロフィス!?」 「どういうも何も、そのためにわざわざ俺はお前の故郷に悪魔を送り込んで襲わせたんだよ。そして、悪魔をを殺してるように見せかけて俺が……」 一呼吸おいた後ロフィスはとんでもない事を口にした。 「…俺が…お前の妹を殺した!お前を絶望させるためにな!」 そう言うとロフィスの体は獄魔の姿から3年前にエバルフの妹を殺した悪魔祓いの姿になった。 ロフィスが変身した姿に全員驚きを隠せなかったがこの中では1番エバルフが驚き、途切れ途切れに口を開いた。 「お前は…あの時…の…」 「ふっ…その通り。俺こそがお前の妹を殺した悪魔祓い…否、このロフィス様だよぉ!おいおい、そんな顔したらまた…絶望させたくなるじゃんよ!」 ロフィスは最初の方だけ悪魔祓いの真似事をするがロフィスと名乗る部分から素の自分を出して喋った。 エバルフの頭の中には3年前のあの妹と部下を殺された光景が蘇り、目の前が真っ暗になった。 「あはははは!そうだ!お前ら弱い人間など絶望し悪魔化すればいいのだ!」 「弱いのはお前らだ、クソ悪魔!」 あざ笑うロフィスを斬りつけようとするグレン。 ロフィスはそれを瞬間移動でかわした。 「弱い?俺たち悪魔がか?笑わせるな!そういうのは俺に勝ってから言いやがれ!」 再び2人は戦いを始めるがロフィスはグレンの攻撃パターンを予知できるため戦いは圧倒的にロフィスが優勢であった。 「まずい、ロフィスのやつが押してるぞ!」 「このままじゃ紅のやつ負けるぞ…!」 「安心しな!こいつを殺したら次は何の役にも立たんお前らを殺してやるからよ!」 ロフィスは部下たちの言葉が耳に入ったのかグレンの攻撃をかわしながら返答する。 そして瞬間移動で避け続けてると急によけるのをやめてグレンのみぞおちに肘打ちを食らわす。 「グオッ……!」 あまりの痛みに腹を抱え込んだ。 そんなことはお構いなしにロフィスはグレンの後頭部を踏みつけた。 「ヤバイ!紅がやられてしまうぞ!」 「このままじゃ俺たちも…!」 エバルフは絶望していた。 ー俺は、俺は結局何も出来ないのか…? 本当に自分でも情けない。やっと妹の仇が目の前にいるのに……目の前の敵が強大すぎて……怖くて立ち上がれない。 あぁ、本当に情けない。 やはり、このお嬢ちゃんの言う通りだな。 こんな弱い騎士、いない方が……。 「エバルフさん…エバルフさん!」 気落ちしてるエバルフの目の前で女の子が呼ぶ声が聞こえる。 「…お、お嬢ちゃん…!ど、どうした?」 「どうしたじゃない!グレンがやられそうなの!お願い!力を貸して欲しいの!」 ミーナは目に涙を浮かべながらエバルフに助けを求める。 しかし、エバルフは。 「…すまない、俺は…俺には人を守ることが出来ない。どうせ俺が行ったからって何も変わることはない。ロフィスの予知能力で俺に気づいて殺されるだろう…そんなくらいならいっそのこと……」 パァァン! その瞬間、周りに乾いた音が鳴り響きエバルフの頬に痛みが走った。 ミーナがビンタしたからだ。 12騎士長がまさか一般の人に殴られるなどと思いもしなかったのか部下たちは目が飛び出るくらい驚いた。 「何言ってるのよ…今この最悪な状況を変えなければみんな死んでしまうのよ!?」 「…だから俺が出ても助けられ…」 「それに、もしここで死んでも妹さんは喜んではくれませんよ!あなたの言っていたヒーローは何もしないまま死んだのかって思われるだけです!」 「………」 何も言わないエバルフにミーナは最後に言った。 「…お願いです…もうあなたしかいないんです!」 その瞬間のミーナが妹と重なって見えたのか胸が熱くなった。 ヒーロー!騎士団カッコいい!! こっ、この声は… 昔妹が言った言葉が脳内に蘇った。 ー……ありがとう、妹よ。お兄ちゃん今からカッコよくなるから天国で見ててくれよ! そしてエバルフは右足付近に置いていた剣を再び持った。 「おらっ!どうした?もう終わりか…大した事ねぇな!」 「ぐっ…ガァァ!!」 ロフィスは地面に倒れているグレンを容赦なく踏んづけたり腹を蹴ったりしていた。 「あーぁ。もう飽きちゃったなー。」 するとロフィスは黒いローブを着た悪魔祓いの姿から獄魔状態のロフィスに変異した。 「反抗してこなきゃ楽しくねーだろーがよ!」 ロフィスはさっきよりも発達した足の筋力で腹を蹴っ飛ばし、グレンの体はゴロゴロと勢いよく転がっていった。 「(くそっ…このままじゃ…)」 「そろそろ止めだよ…じゃあねー」 ロフィスはグレンの顔を踏み潰そうと思い切り右足を上げた。 その瞬間、ロフィスの周りに突風が発生した。 「…なっ、なんだ!?」 シュパッ! 「うっ、うわぁぁ!!」 その突風の風圧によって鎌鼬が起こると体を支えていたロフィスの左足を斬ったためそのまま地面に転倒してしまった。 「なっ、なんだこれは!予知できなかった…一体誰がやりやがっ…。」 その突風を起こしたのはロフィスから少し離れた位置から剣を握って構えている男。 ー12騎士長のエバルフ・シュロン。 その周りから出るオーラは憎しみと復讐に囚われていたあのエバルフではない。 仲間を死ぬ気で救うヒーローの姿であった。 「うぉぉぉぉぉぉ!!!」 そして風魔法で瞬発力とスピードを底上げし、ロフィスに迫る。 そして倒れたロフィスの胸を自分が持ってる剣で地面ごと突き刺し、身動き出来ない状態にする。 ロフィスの口から大量の黒い血が吹き出た。 「ごっ…がぁ…なぜお前ごときが…俺を…」 「今だ、紅の!」 膝をついてたグレンはエバルフが作った最高のチャンスを機に立ち上がると拳の上に魔法陣を発生させた。 「人間にしちゃ上出来だ!」 そして魔法陣を発生させた状態の拳でロフィスの顔面を殴りつけた。 そこから勢い良く黒炎が発生し、ロフィスは動けないままもがき苦しんだ。 「ぐぁぁ!…ぁああああああ!!この…俺が…悪魔祓いだけでなく…人間に…やられる…と…は…予想外…」 どんどん燃えてチリになりかかっているロフィス。 するとエバルフは言った。 「お前は俺を弱者と判断し、反撃する事を想定してなかった。それが仇となって予知できずやられた。なんでも思い通りになると思うな、悪魔め。」 「…くそ、こんな…こんなァァァ!!…」 そしてロフィスは燃え尽きてチリになっていった。 「グレン!」 ロフィスが消えると離れていたミーナは全身傷だらけのグレンのそばにかけつけた。 「別に何ともない。俺はこんな程度じゃ死ぬことはない。」 「分かってるわよ、そんなことあなたと一緒にいれば。ほら、手当するわよ!」 「いいって言ってるだろ…ったく、おせっかいな女だ。」 「おせっかいで結構よ。ほら、顔だして!」 手当しようとグレンの顔を自分の方に向けるミーナに鬱陶しく感じるグレン。 その光景を見て2人が可愛らしく思えたのか部下たちはクスクスと笑う。 しかし、エバルフは戦いが終わっても浮かない顔をしていた。 ー妹よ、今の状況を天国で見てるならどう思ってるだろうか。俺はこれで良かったのか。憎しみを糧に生きていた俺はこれから騎士団にいてもいいのか。 っと心の中で思っていたエバルフ。 「お兄ちゃん、カッコいい!ヒーローみたいだよ!」 「…え?」 エバルフは声が聞こえて振り返った。 「…気のせいか…今一瞬妹の声が聞こえたような…」 ーお兄ちゃん!騎士団頑張ってね! 再び声が聞こえたが今度はエバルフの脳内に響いた。 この声は、やはり妹なのか。 しかし、どこからも声が聞こえない。 もしかしたら天国から話しかけてる…わけないか。 しかし、それに返事するようにエバルフは心に念じかけた。 …そうだな、…お前に言ったようにお兄ちゃん、ヒーローのような騎士団に近づけるよう頑張るから。天国から応援頼むぞ! 心に念じても妹からは返事は返ってこないがエバルフの妹は天国でこう思ってるはずです。 「頑張って、騎士団(お兄ちゃん)。」「……だから、俺が強くなる為にネルは修行を手伝ってくれただけなんだ。今回、あいつは何も悪く無い。寧ろ感謝してるくらいなんだ。」カイルはネルの事を誤解しているエミルに今までの経緯を話した。ーーだからこんなにもボロボロだったのか。信用していない相手が自分の好きな人をこんなボロボロの状態にされてエミルが黙ってる筈が無い。けれど、今理由を知った事で誤解が解かれたエミルは落ち着きを取り戻……。してはいなかった。それを聞いたエミルは仰向けで倒れているカイルの方を見ながらボロボロと涙がカイルの顔に滴っていた。そして。「何であいつの事そんな簡単に信用するの!?あいつがフィナさんの国でどんな事したのか、カイルは知ってるんでしょ?」エミルは怒りながらカイルに言うも、その言葉にはどこか心配も含まれている様に感じられる。「ああ。勿論知ってる。けど、昨日ミーナちゃんも言ってた様にあいつにはもう悪意が無い。修行も純粋に俺達を強くする為に手伝ってくれてた。」「そのお陰で俺は昨日よりも確実に強くなれた。」カイルの返答に対し、エミルは負けずに大きな声で捲し立てた。「昨日たった1日しかあいつの事見てないんでしょ!?きっと今はこうやって良いところだけを見せてるだけ!その後から裏切る事だってある筈よ!」「人はそう簡単に変わらない!変われないのよ、悪人は特にね!そんな奴がちょっと良い事しただけなのに、皆んな簡単に騙され過ぎなのよ!」「エミルだってネルの事何も知らないだろ!!」カイルは捲し立てるエミルに負けないくらいの大声で一喝するとエミルは喋るのをピタリと止めた。そしてカイルは続けて言った。「確かにネルはシルフを壊滅寸前まで追い込んだ。殺した人も星の数だろう。到底世間にも、フィナさんやライクとニケルにも許されないと思う。」「でも、それはエミルも一緒だっただろ?現に元盗賊だったせいでイフリークの騎士団には最初認めてもらえなかった。盗賊なんて、世間から見れば悪人なんだからな。」「な!…違う!私は…」カイルの発言に動揺するエミルだが、ヒートアップしたカイルは喋るのを止めない。「違わない!エミルは自分がされた事と同じ事をネルに言ってるんだ!エミルだけじゃ無い!この場に居る全員、立場が変われば被害者と加害者なんだよ!」「だから皆んな。どっちかがずっと被害者面ばかりするな
[ライクとニケル]サイド。目の前の悪魔達に対し、2人共雷神と風神の姿へと変貌した。「一気に潰してやるよ!」「魔力操作"極(ぎょく)"!火雷(ほのいかづち)!」ライクの背中の上から2番目の鼓が光ると右手から高電圧の雷が溜め込まれる。今までの火雷はそのまま一瞬で放たれるも、魔力操作"極(ぎょく)"により溜め込み時間が普段より10秒くらい掛かる。溜め込まれた右手の雷を悪魔達に向けて一筋の矢の様にして一直線に放たれる。ドカァァァン!!!炎を帯びた雷の大爆発は魔力操作"極(ぎょく)"により、普段よりも10倍以上の威力を発揮した。その威力により、1回の爆発で100体以上の悪魔が一気に消滅した。「っしゃあ!やりぃ!」魔力操作"極(ぎょく)"が上手くいき、調子付くライク。ーーこのままやってけば、あっという間に。しかし、そんな希望は一瞬で崩れ去る。ライクの雷で消滅した側から、再び後ろの方から悪魔が再生していった。「いぃっ!?何だ!?何でまた再生したんだ!?」「…成程。どうやらこの修行、悪魔達を全員殺すのが目的じゃないみたい。」「どう言う事だ、ニケル?」「つまり、この永遠に湧き出てくる悪魔を3日間、休みなく戦い続けなければいけないって事だ。」そう。ニケルが言った通り、2人の修行はこの悪魔達を全員倒す事が目的ではない。絶え間なく湧き出てくる悪魔達を魔力操作"極(ぎょく)"を使って戦い続ける為の持久性を鍛える事が目的であった。「だからライク。そんな大技を放ったところで意味は無い。ここからはペース配分を考えて戦わなければいけない。」「成程な。効率良く戦えって事か?」「それだけじゃ無い。こいつらは魔力操作"極(ぎょく)"でしか倒せない。だからもっと成功率も上げないと。」2人は雷神と風神の力による効果で更なる力を得たのだが、持続性が無いのが欠点である。そしてもう一つ。これはライクとニケル自身の問題。2人は雷神と風神の力を過信し、いつしかそれに頼る戦いが定着しつつあった。この修行では2人のその定着した悪癖を直すのに打って付けであったが、それは只直すと言うにはあまりにも過酷な修行であった。ライクとニケルはまだ完成したばかりの魔力操作"極(ぎょく)"はまだ不安定であり、失敗する事の方が多い。その上、魔力を溜める時間に10秒必要というのも、実戦
その後、グロードの空間移動で全員をカイルの家の前へと転移させた。カイルが家に入るとカイルの母親であるカルラが出迎えてくれた。「おかえり、皆んな。あれ?今日はまた知らない人が居るみたいね。」初対面であるグロードとネルがカルラの目に入った為、すぐにグロードはカルラの前に出て挨拶をした。「申し遅れました。自分の名前はグロードと言います。元々ここに居るライクとニケル、フィナと旅を同行していた者です。そしてこの隣に居るのはネルという者です。」グロードは丁寧にカルラに挨拶をすると、隣に居たネルを手で指し示した。「ネルと言います。」ネルはグロードに続けて一言だけ挨拶をした。「母上。この人達もしばらくの間、泊めて欲しいんだけど…。」カイルは少し躊躇いながら自分の母親であるカルラに尋ねた。幾らカイルの家が大きく親が寛大だからといって、こう何人も居候の人が増えると言うのは母親への負担が大きくなると思ったからだ。流石に迷惑かな?そう思ったカイルであったが。「ええ、良いですとも!さ、上がって下さい!」「良いんですか?」カルラが笑顔で快諾した事が予想外だった為、グロードは戸惑っていた。「はい!何だかね、カイルが色んな人を連れて来てくれるお陰で、広くてどこか寂しかった我が家が楽しい空間に変わってる感じがしてね。」「それに、今更2人増えたところで我が家は何も変わらないわよ。だから、いつまでも居て大丈夫ですよ。」「そう言って頂けるなら嬉しい限りです。本当に、ありがとうございます。」グロードはカルラの器の広さに感謝しながら再びお辞儀して感謝の気持ちを伝える。その姿を見てネルもグロードと同じ様にお辞儀した。「あり…がとう、ございます。」相変わらず、感謝の気持ちを伝えるのが下手なネルはぎこちなくそう言った。「では、どうぞ中に入って下さい!」そう言って全員カイルの家の中へと入って行く。中に入るとカイルの妹であるレイアがカイル達に気付いた。「あ、お兄ちゃん!皆んな!おかえり!」レイアは居間で本を読んでいたが、カイル達に気付くと本を閉じてカイル達の方に駆け寄った。「レイアちゃん、ただいま!」「ミーナちゃん!…ムッ。修行した後はあまり近づかないで欲しいです!」ミーナはレイアが可愛いあまりほっぺをスリスリしようとしたが、汗の匂いもあって近寄って欲しくない
カイルの黒帝剣技は影の中に居る相手を斬りつけるが、距離が離れれば離れる程威力が低下する。以前ベリエル(ハイド)に負けたカイルもその弱点を見極められて十分な力を発揮出来なかった。しかし、今回は違う。カイルは特別強く刀を振るった訳では無く、グロードとも距離が離れていたのに鋼鉄の皮膚を持つグロードに傷を与えた。「たった一振りでグロードに傷を付けた!?」「凄い威力だ。あのグロードさんに傷を与えるなんて、僕達は物凄く苦労したのに。…やっぱりあの刀のお陰なのかな?」ライクとニケルは初見でグロードに傷を付けたカイルを見て驚きながらそう言った。驚いていたのは当の本人であるカイルも同じであり、カイルは手に持った二刀の刀を見つめていた。「この刀…凄い力だ。それ程強く振るっていないのにこの威力。」エミルやミーナ、フィナもカイルの斬撃を見て、ライクやニケル同様に感嘆(かんたん)した。ただ1人、ネルを除いては。ネルはカイルの斬撃を真剣な表情で黙ったまま何も喋らない。一方、傷を付けられたグロードは例の不死の肉体により、傷口はすぐに再生した。「成程。これは黒帝剣技か。それに刀との相性が抜群の影の間接的攻撃。それに加えてこの威力…。」グロードはカイルに与えられた斬撃から、ブツブツと言いながら分析をしていた。「…よし、じゃあカイル君。その刀に自分の影を纏ってみてくれ。」「えっ?何でその事を知ってるんですか?」「良いから早く。」そう急かされたカイルは言われた通り、自身の影を暗影蛇(あんえいだ)と黒纏蛇(こくてんだ)に纏った。纏った瞬間、カイルの目の色はいつもの様に赤く変化したがその直後、いつもとは違う感覚が起こった。「ぐっ…視界が一瞬だけ淀んだ…何だ、これは?」まるで胴のキツイ眼鏡を付けた様な視界が一瞬訪れたが、その後は特に異常は見られない。いや、いつもより影の動きが鮮明に捉えやすかった。「…よし、じゃあ俺に攻撃してみなさい。」「分かりました!」そう言った直後、カイルは目に見えないスピードでグロードの間合いに入る。そしてグロードの影を斬りつけようとした時だった。グロードはカイルが右手に持つ刀を振おうとした瞬間、左足で蹴り上げてそれを止めた。蹴られたカイルの右腕は上に弾かれてしまい、それにより体勢が後方へとぐらついた。「うわっ!…!?」すると
グロードは魔力感知に加えて、周囲の空気振動や電磁波を読み取って相手の特徴を把握する事が出来る。しかし、ベリエルは魔力の質や量を変化させる上に見た目も変化させる事が可能である為、グロードの感知魔法ではベリエルの特徴を捉えられなかったのだ。「俺は風魔法の微弱な風を相手に当てる事で、相手の身体の輪郭を感じ取り、相手との距離感を把握出来る。」「そして雷属性で相手の身体から発する電磁波を読み取る魔法を使えば、例え変身魔法を使っても見分ける事も可能だ。」「この魔法の効果は5000km圏内まで発揮する。だから俺は目が見えなくてもみんなの居る場所がすぐに分かるんだ。」「なっ?凄いだろ、グロードは。」グロードが自身の感知魔法について説明した後、ドヤ顔で誇らしげに言うライク。「何でお前がドヤってるんだよ。まあ、確かに。規格外だよ、グロードさんは。」「確かにそうね。5000km圏内…魔力の流れを読むとかの次元じゃ無いわ。」カイルとエミルは魔力の流れを読む修行をしたお陰で、クレーアタウンでの戦いではその修行の成果をしっかり発揮出来た。ミーナとカイルとエミルは小さな国であれば悪魔の居場所を特定出来るくらいの魔力感知能力はある。しかし、所詮は小さな国程度。グロードの魔力感知範囲は5000km圏内と規格外であり、現実世界の日本で例えるなら日本国土の約52倍もの面積に相当する。しかも魔力感知能力もずば抜けており、魔法が使えない微弱な魔力の持ち主が数km離れた場所に居ても感知する事が出来る。当然、魔力の流れを読む修行をしたからこそカイルとエミルはこの規格外なグロードとの差をきちんと理解していた。「だが、これ程範囲を広げて探してもベリエルを400年間見つける事が出来なかった。それなのに20年前、突然奴は俺の感知魔法に引っ掛かった。」「その時の感知した感覚は、何も無い場所から突然現れた様な感覚。まるでわざと見つかりに来たかの様な現れ方だった。」そう。20年前にベリエルを魔力感知で見つけた際、この様に突然現れた様な感覚に当時のグロードは驚いていたのだ。「つまり、ベリエルはわざと見つかる為に本来の魔力と姿を戻した。そういう事か?」「その通りだ、ネル。奴は自分の計画を俺に邪魔されたく無かった。だから20年間、俺は奴に封印された。」「20年間!?…じゃあ、俺達と神の遺跡
この世界を作った神が居ました。その神の名は理王(リオ)。森羅万象を司る神にして、全ての万物、生物を生み出した世界の始祖となる存在。数億年前、理王(リオ)は3つの世界を作り出した。1つ目の世界は、神や天使が存在する[天界]。2つ目の世界は、悪魔が存在する[魔界]。3つ目の世界。それが今現在、人間達が暮らしている世界である。元々は月の遺跡に暮らしていた古の化け物が先に生み出されたのだが、2つの世界を先に作り出した時に理王(リオ)はこう考えた。「色んな種族や生物が存在する事で、その世界に変化が起きるのでは?」そう思った理王(リオ)は古の化け物と一緒に人間という生き物を3つ目の世界に生み出した。人間だけでは無く、動植物や魚、鳥など色んな生き物を3つ目の世界に生み出し、その生物達が暮らせる様に大陸を作り出した。この沢山の種族が生み出され、混在した3つ目の世界を理王(リオ)は[混界(こんかい)]と呼んだ。人間は寿命が短い代わりに沢山の変化をもたらし、その変化は人々の生活をより豊かにしていく文明の発展へと繋がった。天界と魔界には起きなかった変化。これが天使や悪魔には無い人間の才能であり、長所であった。天界、魔界、混界。この3つの世界全ては本来交わる事が無い。しかし、天界と魔界。この2つは違う。この2つの世界は同じ時期に対となる関係として生み出された。そう、これは理王(リオ)が最初に犯した過ち。天界を統括する理王(リオ)と相対する存在が、魔界の悪魔として生まれてしまったのだ。その悪魔は魔界の王として、理王(リオ)の力を奪う為に1億年前に天界を襲った。天使と悪魔の戦争。そして理王(リオ)は悪魔の王に勝利した。しかし、あまりにも強過ぎる悪魔の王を完全には消す事が出来なかった。その代わりに、理王(リオ)は2度と悪魔の王を復活させない為に、彼の魂を7つに分割した。それが7つに分断されし悪魔である獄魔7将。リフェルとベルゼバブ達はこうして生まれたのであった。魂を7つに分割した理王(リオ)は、その魂を新たな悪魔の肉体の器に入れ込んだ。そして残った悪魔の王の肉体は2度と復活出来ない様に別次元にある混界に封印した。本来悪魔は別次元では肉体を維持出来ない仕組みになっているのだが、その悪魔の王は肉体を維持出来る。悪魔なのに、神と同等の力を持ってい
時は少しさかのぼり、現在ミーナとハンジはグレンの部屋に向かおうとしていた。 「グレンの部屋は確か…こっちです!」 ミーナはハンジをグレンの部屋へと誘導していく。 そして、グレンの部屋の前まで着いた。 「グレン、大変だよ!カイル君が盗賊に…って、あれ?」 部屋を開けるがどこにもグレンの姿が見当たらなかった。 「…いないみたいね。」 「本当に、グレンは…」 こんな時でも勝手な事をするグレンに呆れるミーナ。 「どこ行ったのでしょうか?」 「分からないです…でも、あまり自分から動かないグレンが自分から動くって事は何かあるって事だと思いますよ。…何か、嫌な事が起こ
あれから数日後、助かったイフリークの国民達は他国の騎士団に救助されることになった。 絶望、それは誰しもがそう感じているだろう。 つい数日前まで、人と魔法で賑わっていたイフリークは見る影もなかった。 救助に来た他国の騎士団はイフリークの国民達を自分たちの国である南の大国 シルフに連れて行く事になり、カイル達も含めた騎士団や国民達は用意された100台以上ある馬車に乗せられた。 そこにはどういう訳かグレン達も乗る事になり、当然カイルはグレンに睨みを効かせる。 「おい…なんでお前がここに乗ってんだ?」 するとそれに対して軽く受け答えするグレン。 「俺たちは次に目指すところは
そして現在、俺はこの国の危機を守らなければならない!そのために俺が…俺が…!! 「うわぁぁぁぁぁあ!!!!」 カイルが思いっきり剣を振ると黒い根っこは根元から一気に切り落とされ、切られた部分が霧散していった。 多少時間を稼げるが再生を続けるこの黒い根っこは10秒もあれば元どおりの状態に戻れた。 「このままじゃ…このままじゃ…」 諦めるな!カイル! エミルの声が頭の中で蘇った。 「そうだな、よし!俺も本気出さないとな。」 するとカイルの剣が黒く変色し、瞳が黒から赤く変わった。 「一発で止めてやる!」 カイルは縦に思いっきり振ると根元まで一直線に切れていった
グレンの魔力が溜まるまであと2分をきったがカイルにしてみたらこの時間は非常に長く感じた。 腕の筋肉が痙攣しすぎて既に感覚が無くなっていた。 「あともう少しだけ持ち堪えろ、騎士団の団長。あと少しでこの悪夢を終わらせてやるよ。」 「たの…むっ!」 しかし、黒い根っこは時間が経つに連れて再生するスピードを上げてくる為どんどん追い込まれていくのだった。 だめだ…追いつかない! そう思った時、カイルの頭の中で声が聞こえた。 「あんたって、すぐ諦めるよね。なっさけないなー!」 その声は綺麗な声であるが口が悪く少し男勝りな感じがした。 そして頭の中でその声の主を連想させた







